2011/10/22

「生命の光芒-再生と律動-」 in 3331アーツ千代田~番外編・東京さんぽ~

今日は東京アート散歩。心のアート展「生命の光芒-再生と律動-」を観に行きました。
以前の仕事(病院でのアート活動)でお世話になった方々が審査員・実行委員をしているのです。

会場は「3331arts chiyoda」。旧練成中学校を改修して誕生したアートスペースです。
1階にはメインギャラリー・カフェなどがあり、2~3階には若手作家を扱うギャラリー・美大が運営するオルタナティブスペース・アートや街づくりに取り組むNPOなどが入居しています。
あいにくの天気でしたが、庭に茂る大木、ウッドデッキ、オープンな概観はとても魅力的。


敷地内に入ると大木がお出迎え

ウッドデッキの心地よい階段・入り口前のスペース



心のアート展の作品は、精神科に通院する方々によるもの。
美術大学で学び、作家として活動している方もいますが、大半は療養やリハビリを通じて絵画・造形活動に出会った人たちです。


展覧会期間中、毎日14時からギャラリートークを開催しています。
せっかくなので、拝聴。

アクションペインティングの如き油絵の前では、そのときの想いや内なるエネルギーを画面にぶつけた結果出来上がったと語る作者。
右側:「内攻癖(憤怒と共に)」


日記を書いた後、読まれないように黒く塗りつぶした紙片が日々溜まる。
それをカレンダーのように壁面に再構成したインスタレーション。

「日記」


「日記」の書かれた日がマーカーで塗られており
それが壁面構成に反映されている



















鬱が快方に向かいつつあるとき、自分にとって心地良い色をひたすら刷毛で塗りこんでいったという抽象画。


同じ青い絵でも(大作2点と左下3点)は
異なる状況や心情のもとに描かれているという。


作品それ自体がメッセージを放ちつつも、作家が作品に込められた思いや制作課程を話すことで、さらに作品に輝きを放つような瞬間でした。


銀座の画廊や現代美術館に展示される、クールかつモダンな現代アートも魅力的です。
美術史上のテーマや概念を積み重ねて理論武装された、まるでガラスケースに展示される宝石のごときアートはcool、smart、intelligent!
その一方、この会場で出会うアートは、生きる上での苦しみ・葛藤・つかの間の安らぎから生まれる“素”のアートで、何気なく拾った海辺の貝殻やガラスの欠片のような魅力を感じます。
普段のアートクルージングでは考えないような、“表現することの原点”を感じるひとときでした。



“心”の字をかたどったオブジェもあります

“観る”だけでなく、“参加”することもできます。
ガラス使ったアクセサリーを作るワークショップ、“こころ”を葉書サイズの紙に表現するコーナーがあります。
ワークショップで使用するガラスは、ステンドグラス工房で生まれた破材です。
工房では、日々の制作の中で小さな破片がたくさん生まれるのですが、使いみちがなく廃棄していたそうです。
しかし、展覧会の審査員である造形作家・安彦講平さんのアイデアで、精神科病院や施設でのアート&クラフト制作という形で有効活用されています。
会場では、初歩的な作品として、ペンダントトップを作ります。

気に入ったガラスの破片にカッパー(銅)テープを巻き、はんだで破片をとめる。
それだけなのですが、ハンダ付けは微妙な加減が必要で難しい。
必要のないところにハンダをつけて、縁ががびがびになったり^^;。
でも、大丈夫。ステンドグラス工房のスタッフがアドバイスをしてくれます。

ステンドグラス工房のスタッフが手直し中^^

革紐を通したらネックレスの完成!


早速、着用^^


はがきに“こころ”を描くコーナー

芸術の秋。
芸術の原点に立ち返る展覧会に行ってみませんか(5日間のみの開催とは、もったいない;;)。


第3回心のアート展「生命の光芒-再生と律動-」
会期:10/20(thu)~24(mon)
場所:アーツ千代田3331 http://www.3331.jp/
        *staff blogに展覧会準備のレポートあり http://blog.3331.jp/staff/201110/001264.html
          〒101-0021 東京都千代田区外神田6丁目11-14
主催:東京精神科病院協会 http://www.toseikyo.or.jp/art/index.html
協力:野口ステンドグラス http://www12.ocn.ne.jp/~nsg/


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